海の星座

光を射す言葉を。

2017-01-01から1年間の記事一覧

鳴らすなら、3人の音を。 -17/12/26 ユビキタス at 2017 今を賑わすバンド超会議-

失くしたと思っていたピースが思いがけない場所から見つかって、穴の空いていたジグソーパズルがうっかり完成したような、そんな嬉しいサプライズだった。 大阪の3ピースロックバンド、ユビキタスにとって、2017年は始動以来の受難の年だった。飛躍を誓った…

感情は計算の外側で -17/12/08 PRIMAL CURVE 『#言葉は死角か視覚化可能か?』TOUR FINAL ONE MAN-

それはある一つの終わりであり、同時に、まだ見ぬ第2章の扉絵を飾るにふさわしい一夜だった。 2017年12月8日、大阪RUIDO。シングル「ReleaseMe?」のリリースツアー、「#言葉は死角か視覚化可能か?」のファイナルであり、PRIMAL CURVEの1年5ヶ月ぶりのワンマ…

変わらないものを探して -ユビキタス "変わりゆく世界"-

大阪のギターロックバンド、ユビキタスが10月21日、結成5周年を迎えた。当日は福岡でライヴを行なっていた彼らだが、この日から会場限定のシングルが発売開始となった。タイトルは「変わりゆく世界」。前作から9ヶ月しか経っていないが、今までのどんな期間…

今という一瞬を生きること -17/10/21 ココロオークション 3rd mini Album Release TOUR 2017 『夏の終わりを探しに行こう』-

10月21日、大雨。ココロオークションのホーム、大阪でのワンマンライヴが梅田TRADで開催された。8月にリリースされた3rdミニアルバム、「夏の夜の夢」を提げたツアー、「夏の終わりを探しに行こう」のセミファイナルである。秋の雨に見舞われた当日だったが…

醒めない夢、解けない魔法 -17/10/15 BIGMAMA 『BIGMAMA in BUDOKAN』-

照明の消えた会場に流れ出した、交響曲第九番のあのフレーズ。同時にオーディエンスの歓喜の声が大きなうねりを起こして、日本武道館を埋めた。 2017年、10月15日。その大きなステージに立ったのは、BIGMAMAだった。彼らは10年という月日を、実直に、でも時…

ロジカルな言葉を、エモーショナルに鳴らして。 -PRIMAL CURVE "ReleaseMe?"-

理系のバンドは意外といないんじゃないだろうか。いや、もちろん理系出身のバンドマンはいる。アーティストはいる。ここで言いたいのは、「理系ロックバンド」を看板に掲げるバンドはそうそういないんじゃないかという話だ。 そもそも、これは偏見であるとも…

今はまだ窓の外から -17/07/15 sumika ONEMAN LIVE 『Little crown #4』-

そのバンドが売れているか否かを一般大衆が判断する時に、もっともわかりやすい指針となるのが、「チケットが即完するかどうか」である。事実、某音楽番組では「今最もチケットが取りにくいバンド」というワードが、若手バンドが出るたびに放たれるのだから…

いつかその音が鳴り止む時まで -17/07/06 ユビキタス Acoustic One-man Live-

7月6日、江坂pine farm。広くはないライヴバーに、大勢のユビキタスのファンが集まった。Ba.ニケの誕生日パーティーも兼ねた、バンド初となるアコースティックワンマンライヴだった。ライヴハウスとは一味違うライヴバーの空気感、足を踏み入れるなりメンバ…

巣立ちは晴れの日に -17/07/01 ココロオークション at 見放題2017-

7月の第一土曜日。夏フェスシーズンの開幕を告げるサーキットフェス、見放題が今年も開催された。今年で10回目を迎えたこのイベント、過去にはTHE ORAL CIGARETTES、フレデリック、KANA-BOONら現在のロックシーンの最前線を行くロックバンドを輩出した、若手…

bet on them. -17/05/31 ユビキタス at サルベージ計画番外編-

約2ヶ月ぶりに、ユビキタスのライヴを見た。 この2ヶ月の間に、休養中だったDr.ヒロキが脱退、メンバーはVo./Gt.ヤスキとBa.ニケの2人となった。ヒロキの休養中からすでに仲間のバンドに助けられ、サポートドラムを入れながら進んできた彼らではあったが、5…

夢と現のはざま、のような。

先日のことである。マンチェスターでのアリアナ・グランデのコンサート会場のすぐ外で自爆テロ事件が起きた。その一報を聞いた時の、「またか」という落胆。パリでも同様にライヴハウスが狙われたことは記憶に新しい。それを受けての「またか。」である。言…

しあわせの正体 -17/04/29 ラックライフ presents GOOD LUCK 2017-

顔中を口にして豪快に笑いながらPON(Gt./Vo)がこぼす。「幸せやわあ。なあ。」それにイコマ(Gt.)がのんびりと返す。「せやなあ。」 4月29日、なんばHatchで開催された「GOOD LUCK 2017」でのワンシーンである。拍子抜けするほどのほほんとした2人の掛け合い…

響く音のスコール -17/04/27 ココロオークション『CCR UNPLUGGED』-

丸い椅子が3脚と、カホンが1つ。アコースティックギターが2本に、アコースティックベースが1本と、小さなキーボードが1台。マイクが4本。フロアに灯るライトに柔らかく照らされたステージは、その配置のせいか、はたまた柵がないせいか、いつもよりもやけに…

始まりの季節 -LINO GRAPHが呼び起こす春風-

4月になり、もう半月が過ぎた。のんびり屋だった今年の桜もいよいよ散り始めている。 ベタなことを言うようだが、春は始まりの季節だ。今回はそんな爽やかな季節にぴったりのバンドを紹介したい。 大阪に、LINO GRAPH(リノグラフ)という、音在輝志(Vo./Gt)、…

最果ての先 -17/03/12 ユビキタス LIVE TOUR 2016-2017 『カルテット』 FINAL-

この日、ユビキタスの第1章が終わった。そんな風に思えるライヴだった。 青白い光に包まれた渋谷WWWのステージに、ヒロキ(Dr.)の姿はなかった。完全な三角形ではない形でのライヴで、第1章が終わったなんて、そんな言葉は似合わないかもしれない。彼らは不服…

心を通わせ、心に寄り添う -17/01/29 ユビキタス LIVE TOUR 2016-2017『カルテット』ONEMAN SERIES-

ほんの一瞬、会場内のBGMの音量が上がった。フロアの照明が落ち、聴き馴染みのある入場SEが流れる。定刻を少し過ぎて、3人がいつも通りの自信ありげな笑みを見せて、ステージに現れた。 2枚のミニアルバムをひっさげたユビキタスのツアー「カルテット」のワ…

感情の解放 -ユビキタス "ジレンマとカタルシス"-

現在、LIVE TOUR 2016-2017『カルテット』と銘打ったツアーを敢行中のユビキタスから、4枚目のミニアルバム「ジレンマとカタルシス」が届いた。前作から約2ヶ月での発表となる今作は昨年11月にリリースされたミニアルバム、「孤独な夜とシンフォニー」の連作…

謹賀新年

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。 遅々として更新の進まない本ブログではございますが、お読みいただいてる皆さま、本当にありがとうございます。 今年こそはライターとしてちゃんとデビューしたいと、願望と少しの焦燥を抱いております。 …