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海の星座

光を射す言葉を。

しあわせの正体 -17/04/29 ラックライフ presents GOOD LUCK 2017-

顔中を口にして豪快に笑いながらPON(Gt./Vo)がこぼす。「幸せやわあ。なあ。」それにイコマ(Gt.)がのんびりと返す。「せやなあ。」

4月29日、なんばHatchで開催された「GOOD LUCK 2017」でのワンシーンである。拍子抜けするほどのほほんとした2人の掛け合いに、毎度のことながら、顔をほころばせる。「元気の押し売りのような、力強く分厚い歌声に、色とりどりのテクニカルな楽器隊の音色が重なる。」言うなればそんな風に、それぞれの個のキャラクターはかなり濃く、演奏にももちろんそれは表れる。しかし彼らの音は互いに支え合い、絡み合い、ラックライフの音楽として「正しく」存在している。それが彼らを只者じゃないなと思わせる所以ではないだろうか。

 

彼らは、なんばHatchの大きなステージに立ちながらなお、キャパ120人のライヴハウスで演奏する時と同じ空気を感じさせた。同じように幸福感でライヴハウスをパンパンにしてみせたのだ。「俺が言う『あなた』っていうのは、そこにいるあなたとあなたと、そこのあなたとあなたと…あなたとあなた、ここにいる、その全員を俺は『あなた』って言ってます。」とPONが語った通りに、彼らの音楽はフロアのまさに一人ひとりに向かって届けられていた。広い会場にいながらにして、イヤホンで聴いているかのような、最前列のど真ん中にいるかのような距離の近さを感じさせるライヴだった。彼らの音楽は、確かにイヤホンで聴いている時でさえ近く感じられる。歌詞がまさに自分の気持ちそのままだとか、自分の置かれた状況にしっくりくるとか、言わば「事実に基づく共感」を超えてしまったところで、あたかも自分1人に歌ってくれているような錯覚を起こさせるのだ。人に寄り添うことのできるバンドは決して珍しくはない。しかしそれを1000人規模のライヴハウスでも見せてしまうのだから、なんとも恐ろしいバンドである。しかしその会場の広さに関係なく、リスナーに距離の近さを感じさせられるのは、「『みんな』って言われた時に、『あー、自分は入ってへんやろなー』って思っちゃうタイプやからさ、俺が。」と笑うPONだからこそなのだろう。様々に理由をつけて一歩ひいてしまうその気持ちを、自分も入ってたらいいなというその小さな願望を知っているからこそ、その人に届くように言葉を投げる。そんなPONの、ラックライフの、全てを包み込んでしまえそうな優しさと強さこそが、彼らの作り出す幸福感の正体に違いない。

 

このGOOD LUCKを皮切りに、メジャー1stアルバム「Life is beautiful」を提げたツアーが開幕する。4人の愉快で優しい音楽隊は豪快に笑いながら、全国各地のライヴハウスを幸せでぎゅうぎゅう詰めにして廻りきることだろう。